会議室であなたは言う。「この企画、コンセプトが弱いんです」。すると返ってくるのは「で、具体的に何すればいいの?」という冷たい視線。あなたは分かっている。表面的な施策をいくら積み重ねても、芯がなければ砂上の楼閣だと。でも、それを言葉にできない。なぜなら、あなた自身も「コンセプトとは何か」を体系的に説明できないから。 この本は、その苦しみに終止符を打ちます。村山昇氏は「コンセプト」を抽象的な美辞麗句ではなく、「物事の本質を抽出し、新しい意味を与える知的技術」として再定義。さらに驚くべきは、コンセプチュアル思考を「抽象化思考」「アナロジー思考」「メタファー思考」など7つの思考法に分解し、それぞれを実践的なメソッドとして提示していること。 例えば、スターバックスの成功を「コーヒーを売る店」ではなく「第三の場所を提供する」と再解釈した事例。これこそがコンセプチュアル思考です。本書を読めば、「コンセプトが大事」という曖昧な主張が、「顧客価値を本質レベルで再定義する技術」という具体的な武器に変わります。上司も同僚も、あなたの言葉の重みに気づくでしょう。